お店について教えてください
-
バール・デルソーレは、本物のイタリアエスプレッソコーヒーをはじめ、パスタやピッツア、ドルチェ、デザート、さらにはワインやカクテルとそれに合うおつまみなどを用意しております。一日を通してイタリアの食文化を楽しみ、憩いの時間をお過ごしいただけるバールです。バール・デルソーレは2001年六本木に1号店がオープンし、現在10店舗を運営しています。当銀座店は2006年にオープンし、IEI(イタリアエスプレッソ協会※2)に「本物のイタリアエスプレッソが飲めるお店」として認定されています。
内装はクラシカルなスタイルのバールをイメージ。立ち飲み用のカウンターは、日本人の身長に合わせてイタリアの110cmから90cmへと下げ、床の部分に木を使うことで、立っていても疲れにくいよう配慮しています。テーブル席の床にはテラコッタを使い、ゆったりと落ち着いて過ごせる空間を演出しています。
バール・デルソーレを出店しようと思われたきっかけは?
-
私はフランスで料理を学んだ後、ジェラート修行のためミラノに行き、世界選手権で3年連続金賞を受賞しました。自分は料理ができる、ジェラートやドルチェもつくれる、あとはコーヒーとお酒について学べばお店が出せると考え、1994年再びイタリアに渡って本格的なバリスタ修行を始めました。1996年にバリスタの免許を取得して帰国。帰国するとき「あなたは本場できちんと学んだのだから、本当のイタリアを日本にしっかり伝えてください」と言われ、本物のエスプレッソやバールの魅力、本来のバリスタの在り方を日本に浸透させたいと強く思いました。
イタリアでのバールは、社交の場、街のランドマークとして人々の生活に深く溶け込んでいます。そんなバールを日本にもつくりたい。本格的でありながら、日本人にとって心地よい“止まり木”となるようなバールを広げていきたいと考えました。
お客様の層はいかがですか?
平日はオフィスなどで働くお客様が7~8割、買物や観光のお客様が2~3割くらい。週末にはその比率が逆転します。幅広い層のお客様にご来店いただいていますが、どちらかというと年齢層は高めで、大人のお客様が多いですね。本物のエスプレッソが飲めるので、イタリアの方もよくいらっしゃいます。
コーヒーメニューについて教えてください
-
イタリアのミラーニ社の豆を使った、本物のイタリアエスプレッソを提供しています。ミラーニ社の豆はIEIの認証を受け、ミラノの高級食材店やイタリア料理界の重鎮など品質にこだわるお店や職人に選ばれています。非常にバランスが良く、日本人に好まれる味わいを出すことができます。人気のメニューはカプチーノとカフェ・マッキャートです。
人気のフードメニューは?
-
ランチ(11:00~15:00)の一番人気は自家製ミートソーススパゲッティで、サラダ・パン・ジェラートまたはコーヒーが付きます。ピッツァやラザニアもよく出ます。夜はカポナータ、カプレーゼ、鶏もも肉のディアボラなどワインやビールに合う料理が人気です。そして食事の締めにジェラートやティラミス、カタラーナなどのドルチェとエスプレッソをお楽しみいただいています。
お使いのエスプレッソマシンについて教えてください
ランチリオ スペシャルティRS1-2連を使っています。選んだ最大の理由はシンプルで使いやすいこと。温度や抽出時間を簡単に確認・設定できるディスプレイ、重量バランスと使い勝手がいいポルタフィルター、火傷を防止するクールタッチスチームワンド、使いやすいスチームレバーなどバリスタのワークフローを考え抜いた無駄のない設計で、非常に気に入っています。熟練したバリスタの要求に応えてくれるポテンシャルを持っているので、常に豆の味わいやマシンの性能を最大限引き出せるよう努めています。もちろんIEIの認定を受けたマシンです。
マシンを使う上で気をつけていることはありますか
-
スタッフにいつも言っているのは、まずは操作をきちんと覚えて、正しく使うこと。そして洗浄をしっかりと行い、衛生面に細心の注意を払うことです。そうすることで長期間安心して使い続けることができます。
バリスタを目指されている人、開業を考えている方にアドバイスをお願いします
-
バリスタの本来の意味は「バールで働く人」。日本でバリスタというと「コーヒーを淹れる人」ということになっていますが、イタリアでの役割はもっと広い。安定した高いクオリティの抽出技術を持つことはもちろんですが、お客様の好みを知り最適なエスプレッソを提供すること、さらにはお客様を楽しませる接客・サービス技術が求められます。熟練したバリスタは会話や服装、持ち物などを糸口にお客様の好みを正確に見抜きます。またバリスタはその地域の情報にも詳しく、バールは街の案内所としての役割も果たしています。
本来のバリスタの姿やバールの役割、そしてエスプレッソ発展の歴史など、その背景を知ることで、イタリアでなぜそれほど愛されているのかが理解できます。ただ作業の手順を覚えたり、ノウハウを求めたりするのではなく、イタリアの文化、バール文化の本質をつかむことで、お客様が本当に求めるバリスタや、本物の魅力を持ったお店を生み出せるのではないでしょうか。
今後の目標をお聞かせください
-
一人でも多くのお客様に、バール・デルソーレでおいしいエスプレッソと料理を楽しんでいただきたい。そして日本におけるバリスタの地位を向上させ、本場のバール文化、エスプレッソの素晴らしさをもっともっと根づかせたいですね。私はエスプレッソを使った料理の本も出しているのですが、エスプレッソを飲み物だけでなく、ジャムなどいろんな形で味わうことで、もっと身近なものにしていきたいと思っています。
※1 IIAC(イタリア国際カフェテイスティング協会):コーヒーの知覚・感覚的な価値を計る科学的方法を確立し、広めることを目的としたイタリアの非営利団体。
※2 IEI(イタリアエスプレッソ協会):イタリアエスプレッソを科学的、技術的に定義し、製造~提供過程に関わる事項(焙煎、エスプレッソマシン、バリスタ)に対し、品質保証・認証を行う機関。
※IEI(イタリアエスプレッソ協会)は、旧INEIを指します。